平凡な男女が、結婚の点でだけ、天才的に独身論を主張するlこういう独身論はあやまって
いると思うのです。このぱあいあやまっているという意味は、何となく、そぐわないコッヶイで
ある、ヒステリックである、という意味なのです。
あなた方は、そのためには、異性も健康もなりふりも、いっさいすててかえり見ないでおれる
程の仕事を将来もつことができますか、また、その仕事にふさわしいだけの熱意と能力をご自身
のなかに自覚しますか?だったら、結婚なんかしない方がいいと思います。
けれどもおそらくあなたがたの何割かはこれだけの自信をおもちにならないだろうと思いま
す。しかも、あなた方の何割かは、進歩的に結婚なんて女性の奴隷化だと考えています。つまり、
伝統的な結婚はイヤだ、かとぃって天才的な自信もない、lこのふたつのものの間に板ばさみ
になって、あなた方の四○。〈1セントが人生の理想について悩んでいるということになるのだろ
うと思います。そして人生の理想について思い悩んでいる、はんもんしている、よくわからない
-1そういう不安定なこころの状態にたえ切れなくて、とにかく、一ばんはっきりしていること
は、あの奴隷的な結婚を拒否することなのだ、だから余事はともかく、これだけは拒否しよう、
こう性急に考えて、結婚拒否論、独立論を、それぞれの思いつきの理由で、性急に主張なさろう
とするとき、どこかでピントの狂った独立論がでてくるのではないでしょうか。
私はなにもしゃにむに、あなたがたに結婚をすすめようというコンタンではないのです。私が
こんなことを書いた理由、それは、あなたがたに割引なしに、掛値なしに、あなたがた自身を考
えてもらいたいからなのです。
素敵なパートナーにで、出会っても幸せに付き合うには努力が必要です。
ニイチェは女性を軽蔑し、さらに強く徹底的に軽蔑するために独身主義を実行しました。それ
はそれなりでよかったのでしょう。何故ならニイチェは天才でしたから。あなたがたは男性を軽
蔑し、男性は動物どころか下手な昆虫みたいなものだと、ある女流作家のように男性をののしり
つづけることに、女として生まれた生きがいと使命を感じますか。まるで女ニイチェのように。
だったら、それでも結構です。けれども、何だか変じゃないでしょうか。女性が男性の奴隷でな
いのと同じように、男性は昆虫ではなかろうと思います。

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